裏側から訳す

この記事は、2007-06-01 11:47:47 amにポストしたものの再掲です。

日本語の単語と英語の単語は、たとえ辞書にその意味だとして載っていたとしてもそれぞれのカバーする範囲が微妙に、ときには大きくずれています。このずれが問題にならない場合もありますし、ときにはどうにも落ち着きが悪くなる原因になる場合もあります。その解決方法にはさまざまなものがあるのですが、ここではそのひとつとして裏側から訳す方法を紹介しましょう。

  • 例:Remember that each boy has his own expectations.
  • 通常の訳文:男の子はひとりひとり、それぞれの期待を抱いていることを覚えておきましょう。
  • 裏側から訳すと:男の子はひとりひとり、それぞれの期待を抱いていることを忘れてはなりません。

Rememberは、「覚えている」という動詞の命令形ですが、日本語では「覚えていろ」という命令よりも「忘れるな」という命令の方が日常的な感覚としてしっくりくるものです。意味は同じでも、こうやって裏側から訳すことで、「なんとなく落ち着かない」翻訳を改善できる場合があるのです。

  • 例:When you work on a busy day it is difficult to look around to see what is happening in your own home.
  • 通常の訳文:忙しく働いている日には、ちょっと立ち止まって自分の家庭のなかで何が起こっているかを見るのさえ困難です。
  • 裏側から訳すと:忙しく働いている日には、ちょっと立ち止まって自分の家庭のなかで何が起こっているかをみるのさえ簡単ではありません。

difficultは、「困難」と堅く訳さなくてもいいのですが、「むずかしい」にしたところで、どうも座りが悪い場合が少なくありません。そんなときは、「簡単ではない」と、裏側から訳してみればうまくいく場合もあるのです。


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