この記事は、2007-06-04 2:58:55 pmにポストしたものの再掲です。 日本語には、英語由来のカタカナ表記の言葉が数多くあります。カタカナ語が定着している場合、無理に漢字やひらがなの日本語を当てはめようとするよりも、外来語をそのまま使った方がすんなりいくことが少なくありません。identityを「自己同一性」、comunicationを「通信」などと訳してしまっては、何のことだかわけがわからなくなるものです。よっぽどの場合でもなければ、これはアイデンティティーやコミュニケーションで構わないでしょう。 その一方で、もちろん、カタカナ語を避けた方がきれいに翻訳できる場合も決して珍しくはありません。driveという動詞は、たとえドライブというカタカナ語が定着していても、普通は「運転」と訳します。カタカナの「ドライブ」は、原語の意味の一部しかあらわさないからです。receiptも、レシートと訳していい場合よりも領収書と訳した方がいい場合の方が多いものです。 これをもう一歩すすめると、原語とは異なった単語の翻訳に、外来語を使うという小技に行き着きます。たとえば、negativeやpositiveは、ネガティブ、ポジティブというカタカナ語にしてもいいのですが、むしろマイナス、プラスという語源のまったく異なるカタカナ語を用いる方がしっくりいくことが多いものです。ときにはhelpを「サポート」と訳していい場合もあります。
もちろん、これを「裏側から」訳して、「家族とのコミュニケーションのチャネルを切ってしまってはいけません」とやってもかまわないのです
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