主語と述語に着目する

この記事は、2007-07-05 11:20:37 pmにポストしたものの再掲です。

引き続き、Roy Peter Clark博士の”Fifty Writing Tools“をヒントにして話を進めましょう。博士は、動詞をできるだけ強い形、すなわち能動態で用いることを奨めています。受動態は、どうしても弱い感覚を読者に与えるというわけです。そして、副詞には注意するようにと警告を発しています。動詞を強調するつもりで使った副詞句は、かえって動詞の力を弱めてしまうという指摘です。単純に「花が咲いた」と書く方が、「花が美しく咲いた」と書くよりも強く読者に訴えるというわけです。

これは、日本語を書く際にも当てはまることのような気がします。ですから、訳文を工夫するときにも覚えていて損のないコツなのですが、それはまた別の話。これを英文解釈の際に応用することをここでは考えましょう。

この「コツ」は、英語の発想をよく反映したものだと考えられます。つまり、英語では、日本語以上に「主語-述語」の骨格が重視される傾向にあるのです。「誰が(何が)、どうした」ということがひとつの文の中心であり、主語、述語の省略は基本的に考えられません。そして、それをできるだけ明確に表現することが、読みやすい文につながるわけです。

ですから、英文を読むときには修飾節にとらわれず、まず主語と述語を探す努力をすることです。それが英語の発想だからです。これは、意識しなければできません。というのは、日本語の発想はそうではないからです。

日本語は、少なくとも日本人の思考回路に対しては、「端から読めばわかる」という構造になっています。主語がどれとか述語がどれとか、一文の中で問題にしなくても読めるのが日本語です。ですから私たちは、ともすると、端の方から順番に文章を解釈していこうとします。これが妨げになってしまうことが多いのです。

もちろん、英語圏の人々も、文章全体を見なければ骨格がわからないということでは、意味の把握に不便を感じるでしょう。だからこそ、前回のポイント、「主語と述語を文頭に出す」というのがわかりやすい構文のコツということになるわけです。けれど、現実にお目にかかる英文は、そんなわかりやすい構文ばかりではありません。

そんなときでも、「英文解釈は主語と述語の把握がポイントだ」ということを忘れず、真っ先に主語と述語を探すべきです。その際に、より弱い部分である副詞や形容詞に目を奪われてはならないのです。


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