翻訳事務所の信用を支える社外翻訳者の管理

どんな仕事にも、トラブルはつきものです。それを解決して次につなげることができなければ、どんな仕事も継続していけません。トラブルがあってそれっきりでは、いつかクライアントがいなくなります。きちんとトラブルを解決してクライアントに納得してもらってこそ、次につながります。実際、d-lightsのお客様にも、過去にトラブルはあったけれどそれでもまた発注してくださるクライアントがいくつもあります。無用のトラブルを避けたいのは当然としても、「Trouble is my business」ぐらいの気持ちがないとやっていけないのかもしれません。

翻訳をめぐるトラブルが起こりがちなのは、実は社外翻訳者の起用です。継続的に起用している社内翻訳者であればそのスキルは把握できますが、めったに仕事を出さない社外翻訳者のスキルは、ときに想定外の品質の低下を招きます。もっともこれは、社内での品質管理が徹底できていれば、納品時までには解決できる問題です。翻訳事務所によっては「外注した翻訳者が下手くそだったので」みたいな言い訳をするケースもあるようですが、それは翻訳事務所にとっての恥です。信用を落としますから、言わないほうがいい言葉です。だからふつうは言いません。

言い訳のきかないトラブル、社内のチェックで防ぎようのないトラブルは、社外翻訳者からの情報の漏洩です。翻訳事務所は、通常、クライアントとの間で守秘義務をもっています。たとえば私どものd-lights翻訳サービスでは、Webサイトに受注時に自動的に適用される契約事項の一部として守秘義務を明記しています。そして、社外の翻訳者とは、同じレベルの守秘義務を明記した契約を交わしています。その上で、情報が漏洩しないように、案件ごとに確認を行っています。そのため、どの翻訳者も情報の管理にはセンシティブになっています。当然のことだと思います。

ところが、なかには情報の管理にずさんなフリーランサーもいるらしいのです。時折、翻訳者経由で情報が流出してしまうトラブルを耳にします。そして、なかには呆れてしまう事件もありました。翻訳事務所がWebサイト経由で翻訳者を公募し、その際に秘密文書を公開状態にしてしまうという事件です。この種の事件は、フリーランサーの質ではなく、翻訳事務所そのものの体質に問題があるのだといえるでしょう。

プロジェクトごとに翻訳者を探しまわるような行きあたりばったりの管理体制しかないような翻訳事務所なら、当然のようにこのような事故は起こりやすくなります。さらに、格安の翻訳サービスに孫請けに出そうとすると、そういうところからどんどんと情報は流れだしてしまいます。誰が実際に翻訳しているのかもわからないような匿名性の高いサービスは、それだけ信用できないということです。表は立派な看板を掲げても裏側でそういうところに丸投げしているような翻訳事務所は問題外と言っていいでしょう。

d-lights翻訳サービスの社外翻訳者は、互いに信頼を積み上げてきた精選された人々です。自分の行動がどのような結果を生むのかをきちんと把握している仕事仲間ですから、こういう初歩的なトラブルとは無縁です。翻訳者の管理というと無機質な印象を与えるかもしれませんが、人間同士の信頼関係こそが、適切な管理のベースにあるのだと信じています。


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