翻訳のお値段

この記事は、2010/02/18にポストしたものの再掲です。

翻訳料金は、一般に高いものです。翻訳商売をやっている当人がこんなことを言ってはいかんのですが、普通の感覚では翻訳料金は割に合わないほど高いだろうと思います。たとえば、A4の文書1ページが1万円。よっぽど重要なお金儲けにでも関する書類や、命に関わるような重要文書でもなければ、それほどの金額を支払って読もうとは思えないはずです。

しかし、翻訳者の立場から言えば、このぐらいはもらわないとやってられません。翻訳者の能力にもよりますが、多くの翻訳者は、1日に数ページの翻訳がやっとでしょう。翻訳事務所で差し引く諸経費を除けば、翻訳者の時給はそれほど高くありません。翻訳事務所で中間搾取をするからだという声も聞こえてきそうですが、進行管理や品質管理、書類発行その他の事務にはけっこう手間がかかるもので、やはり時給になおしたらたいした額ではありません。要は、それだけ高額な翻訳料金をいただいても、あまり儲からないのが翻訳商売です。

クライアントの感覚からは翻訳料金は高く、翻訳者の感覚からは翻訳料金は安いものです。結局は、それだけの料金に見合った文書しか翻訳の対象にはならず、世の中にこれほどあふれた翻訳のニーズはほとんど商売になりません。ものの価値というのはなかなかに難しいものです。

ただ、やはり商売ですから、そこはクライアント、翻訳者双方が納得できるような落としどころを工夫しています。時間があるときにそんな話も書いてみたいと思っています。今日のところはこのあたりで。


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